他士業と比較した際の弁護士の優位性

皆さんが法律にまつわるトラブルや困りごとを抱えてしまったとき,いったい誰に相談して解決を手伝ってもらおうと思うでしょうか。その際の相談相手として皆さんが思いつくのは,おそらく,弁護士,司法書士,行政書士,税理士,社会保険労務士などではないかと思われます(以下でこれらを総称して「士業」といいます。)。そこで,弁護士とその他の士業との違いは何なのか,弁護士に相談することのメリットは何なのか,という辺りを,これからご説明いたします。

まず,一口に法律にまつわるトラブルや困りごとと言っても,大きく2種類に分けられます。つまり,紛争系の問題か非紛争系の問題か,という区別です。紛争系の問題とは,そのトラブルの当事者として自分以外に誰かしら相手方がいる,というくらいの意味で理解してください。他方で,非紛争系の問題とは,それ以外のもの一切というくらいの意味で理解してください。

 

紛争系の問題を解決するには,直接相手方と交渉してお互いの希望・意見を調整するやり方もありますが,それでうまく行かないときは,最終的に法的手続に持ち込むほかありません。法的手続の代表格が,裁判(訴訟)です。他にも,調停とか労働審判等の法的手続もあります。

 

そのような紛争系の問題を最終的に解決できるのは,実は弁護士だけです。なぜなら,他の士業は,訴訟等の代理人を務めることが,法律上認められていないからです。唯一,司法書士だけは,簡易裁判所における訴訟の代理人になれると法律上認められているので,その意味で弁護士に類似していると言えます。しかし,その問題が簡易裁判所で扱ってもらえないものであったり,あるいは簡易裁判所だけで解決に至らずにより上級の裁判所へ持ち込まれた場合などは,それ以上は司法書士ではどうしようもできません。その紛争の解決のために,最後まで確実にお手伝いできるのは,弁護士だけなのです。

 

また,法的手続に至る以前に相手方と直接交渉をするだけの段階でも,このとき代理人になれるのはやはり弁護士又は司法書士(一定の条件を満たすもののみ取り扱えます。)だけです。厳密に言うと,代理人を務めることについて金銭的な対価をもらわないのであれば,誰でも代理人になれます(例えば友達でもなれます。)。しかし,士業を営む人は,基本的に営利目的でやっているので,無償で代理人になってくれるという状態は想定しにくく,そういう意味で有償で且つ紛争の規模を問わずに代理人になれるのは法律上弁護士だけ,ということになります。

次に,非紛争系の問題についてですが,非紛争系の問題とは,例えば「個人が遺言書を書く。」とか「会社が就業規則を作る。」等のケースが挙げられます。こういった相談に対してアドバイスをできるのは,何も弁護士だけに限られません。しかし,弁護士に相談した場合にのみ得られるメリットがあります。それは,将来の紛争発生を見越してそれを予防するための具体的アドバイスが得られる,という点です。

 

つまり,遺言書とか就業規則を作っても,内容に問題があれば,将来それに端を発して新しい紛争が発生する可能性があるため,そういうことにならないように注意を払って作成する必要があります。その際,弁護士は,前述のとおり紛争解決のプロで,多数の紛争事例を扱った経験があることから,さまざまなケースを想定して紛争予防に努めることができるのです。

 

以上のとおり,法律に関するトラブルや困りごとにおいて,弁護士にしかできないことや,弁護士が他の士業よりも優位性を持っていることが数多くあるのです。

項目 弁護士 司法書士 行政書士 税理士 社会保険 労務士
刑事訴訟の弁護人 × × × ×
民事訴訟の代理人 × × ×
民事交渉の代理人 × × ×
審査請求の代理人 ×
労働審判の代理人 × × × ×
民事調停の代理人 × × ×
家事調停の代理人 × × × ×
裁判所へ提出する書類の作成 × × ×
官公署へ提出する書類の作成 × × ×
登記 × × ×
税務の相談 × × ×
就業規則の作成 × ×

△は部分的にできる場合

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