労働相談24:訴状が届いたら

Q 裁判所から,書留で「訴状」という書面などの書類一式が届きました。

以前に当社に勤務していた従業員名が「原告」に書かれており,当社名が「被告」に書かれています。

従業員が退職したのは1年も前ですし,最近は色々な形の詐欺もありますので,どのように対応すればいいのか分かりません。

無視してしまっても良いのでしょうか?教えて下さい。

訴状とは,裁判を提起した者(原告)が,相手方(被告)に対する主張内容を記載して裁判所に提出した書類を指します。

裁判所は,原告の訴状を受理した後,被告に対して訴状を送達します。

訴状の送達は,原則として特別送達という方法で行うと定められています。

訴状と同じ封筒には,第1回期日について記載された書面と,答弁書のひな形が入っていることが通常です。

これは,原告の主張に対する被告の反論を,答弁書に記載して第1回期日までに裁判所に提出するか,または第1回期日に裁判所に出頭して述べる必要があるためです。

もし,これらの対応を行わないと,第1回期日に被告が不在のまま裁判が行われてしまい,被告からの反論はないものとして扱われてしまいます。

つまり,基本的に原告が訴状に書いた主張内容がそのまま認められて,判決が出されてしまうのです。

そして,判決から2週間が経過するとその判決は確定し,判決の内容については基本的に争えなくなってしまいます。

判決が確定すると,もしくは一定の条件の下では判決確定前でも,原告は判決に基づいて被告に対する強制執行を行うことができます。

原告が会社に対して金銭的な請求をしている場合を例にすると,原告は会社の財産を差し押さえたりすることができてしまうのです。

つまり,訴状に対して何もしないという対応は,厳に避けるべきであるといえます。

被告としては,訴状に対する被告の反論を答弁書に記載して第1回期日までに裁判所に提出するか,または第1回期日に裁判所に出頭して述べる必要があります。

訴状に対する反論は,専門家でないと対応が難しい場合もありますので,もし訴状が届いたら,一度弁護士に相談されることをおすすめします。

最近は,裁判所の名を騙ってお金をだまし取る手口もあると聞きますが,先ほどお話ししました通り,本物の訴状は裁判所から特別送達で送られてきます。

また,事件毎に裁判所から割り振られる事件番号というものが記載され,連絡先も裁判所の電話番号が書いてありますので,そうでない場合は,本物の訴状でない可能性が極めて高いといえます。

本物か偽物かを判断するためには,裁判所に直接確認することが安全かと思います。

送られてきた書類が怪しい場合,そこに書かれた電話番号にいきなり電話するのではなく,裁判所の公式ホームページなどで電話番号を調べて確認することが宜しいかと思います。

法律専門家であれば,一見して本物の訴状かそうでないかは通常分かりますので,ご自身で確認することが心配な場合には,送られてきた書類を持参して,弁護士に相談することでも十分だと思います。

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