労働相談23:契約書チェック2

Q 当社は,小規模な会社であるため,独立した人事部や法務部がありません。総務部の私と部下達で,給与計算などの労務と,契約書チェックなどの法務を行っています。従業員数も多くないので,業務量自体は多くありません。また,複雑な給与計算もないので,労務部門については,特に問題なく行えていると思います。ただ,契約書チェックについては,私も部下もあまり経験がなく,不安を抱えています。複雑な内容の契約書については,その都度提携している法律家の先生に相談しているようなのですが,比較的シンプルな契約書チェックについては総務部の業務となっています。契約書チェックのポイントについて,簡単に教えて下さい。

A 契約書チェックには,形式的チェックと法律的チェックの2つの側面があり,前回は契約書の形式的チェックについてご回答致しました。今回は,法律的チェックにおけるポイントについて,簡単にご説明致します。

 法律的チェックは,特に契約の相手方が契約書を作成している場合,相手方に一方的に有利になっていないか,自社が不当に不利益となっていないかについて注意して行う必要があります。

 法律的チェックにおいては,まず,契約条項に法令違反や判例違反がないかをチェックします。法令違反や判例違反があれば,その条項は訂正したり削除したりするなどの対応を行う必要があります。

 次に,法令違反や判例違反ではなくても,自社にとって不利な条項がないかをチェックします。例えば,損害賠償について定めた条項で,自社が責任を負う範囲のみが不当に広い場合など,注意が必要です。

 また,よく見られる条項として,裁判になった場合の管轄裁判所(簡単に説明しますと,その事件を取り扱うこととなる裁判所です)について,相手方の近くであり自社からは遠い裁判所が指定されているという条項があります。このような条項があると,自社はわざわざ遠くの裁判所に出頭する必要があるということになり,自社にとって大きな負担となってしまいます。

 契約書の法律的チェックは,法律や判例の知識が必要になるほか,契約条項が意味する内容について正確に理解し,自社に不利となっていないかを判断する能力を要求されますので,必要に応じて法律の専門家にご相談することをお勧め致します。

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