労働相談17:会社のホームページ作成

Q 当社では,会社のホームページを作成するために準備中です。当社は規模が小さい会社ですし,シンプルで簡単な内容で良いため,専門業者に依頼するのではなく,パソコンやインターネットスキルのある従業員が作成する方針を考えています。会社のホームページを作成するにあたって,何か法律上の注意点がありましたら教えて下さい。

1 ホームページは,多くの人が簡単にアクセスできることから,宣伝効果が高い一方,全世界に配信されて誰でも見られるという特性上,トラブルになることも多いです。

 特に自社で作成する場合,法的トラブルを引き起こしてしまうリスクもありますので,ここではいくつかの基本的な法律上の注意点を申し上げたいと思います。

2 現代では,文字のみのホームページというものはほとんど見られず,写真やイラストを使用しているホームページが多いと思います。

 写真やイラストが,自社で作成したものであれば通常は問題とならないのですが,そうでない場合,撮影者や作成者に著作権がありますので,これを無断で使用することは著作権法上の問題を生じます。

 例えば,インターネット上で検索して出てきた写真やイラストを無断で使うことは,フリー素材(自由に利用して良いと作成者が明示しているデータ)でない限り,原則として著作権侵害となるため,使うべきでありません。

 フリー素材であったとしても,データの大きさや色を改変しない,非営利目的に限るなどの制限がありますので,注意が必要です。

 また,自社で撮影した写真で人物が写っている場合,写真に写っている人から掲載について同意を得ないと,肖像権やプライバシーを侵害するおそれがあります。特に,背景などに社外の人間が写っている場合は注意が必要です。そのような写真は使わないか,映り込んでいる人が誰であるかわからないように写真をぼかすなどの加工が必要になるといえます。

3 次に,ホームページ上の文字や文章についての注意点です。

  ホームページ上でキャッチフレーズを使う場合,当該キャッチフレーズが商標登録されていないかについて,注意する必要があります。

 既に登録されている商標と同一もしくは類似の単語を,登録商標との商品・役務と同一もしくは類似の範囲で権利者に無断で使用する場合,商標権侵害となる可能性が高いため,止めるべきです。

 商標登録の有無については,特許庁ホームページで検索できます。

4 また,ホームページ上の表現方法ですが,実際の業務内容よりも誇張した表現を使ったり,事実に反する内容を宣伝したりすると,景品表示法違反となるおそれがありますので,注意が必要です。

 その他,不動産や薬事業界など,業界によっては使うことを法律上禁止されている用語がありますし,ホームページ上でネット販売を行う場合には明記を義務づけられている内容もあります。

5 ホームページ上で,著作権侵害などの権利侵害行為を行ってしまうと,権利を侵害された者から損害賠償請求などの民事上の請求のほか,内容によっては刑事事件となる危険性もありますので,自社でホームページを作成する場合には,公開前に一度ご相談頂くことをお勧め致します。

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