労働相談14:SNSトラブル対応

Q SNSを使っている従業員がいますが,トラブルにならないか不安です。SNSのトラブルはどのようなものがあるでしょうか。また,万が一SNSトラブルが起こったときに会社としてどうすれば良いでしょうか。

A SNSとは「ソーシャルネットワーキングサービス」のことで,最近ではFacebook,Twitter,インスタグラムなどが典型です。

 SNSは,記事や写真を誰でも簡単に投稿することができるため,問題意識が薄いまま投稿してしまうこともあり,トラブルになることも多いです。

 SNSトラブルは,大きく分けて(1)会社との間のトラブル,(2)従業員同士のトラブルの2つがあります。

(1)会社との間のトラブルには,①秘密漏洩型と②企業信用失墜型の2類型があるといえます。

 ①秘密漏洩型とは,営業秘密や顧客情報などをSNSに投稿することで,秘密を漏洩してしまうことを指します。

 ②企業信用失墜型とは,数年前から問題となっている「バイトテロ」が典型で,企業の信用を失わせる内容を投稿することを指します。

 会社との間のトラブルは,単にインターネット上で問題になる(いわゆる「炎上」)だけでなく,場合によっては会社に多大な損失が生じることもあります。実際,営業停止に追い込まれて当該店舗を閉店したり,会社自体が破産したりしたケースもあります。

 投稿者や行為者に対して,会社が被った損害について民事上の請求を行うことは可能です。しかし,行為者や投稿者がアルバイトなど若年の場合,会社に生じた損害が全て支払えるかは甚だ疑問と言わざるを得ません。親などが連帯保証人になっていれば,連帯保証人にも請求可能ですので,ある程度は回収が可能かもしれませんが,それでも全額回収できるとは限りません。

(2)従業員同士のトラブルは,SNS上で特定の従業員に対して攻撃するような投稿がなされていることによるトラブルを指します。

 内容によってはハラスメントに該当する危険性があるだけでなく,刑事上の名誉毀損罪や侮辱罪に該当する可能性もあるといえます。

 このように,SNSトラブルは,インターネットという特性上,一度発生したら全世界に拡散されてしまうため,後から取り返しがつかないものも多く,その損害も莫大な金額となる危険性が高いトラブルといえます。

 従いまして,会社としては,事前の対応が肝心であるといえます。例えば,SNSに関する規定を整備したり,社内でSNS利用に関する倫理的な研修を開催したりするなどです。

 また,採用の際に,SNSに企業秘密や顧客情報,会社の信用を失墜する内容を投稿しないことの誓約書を取得し,これに反して会社に損害が生じた場合には損害賠償する旨の書面を取得することも一案かと思います。

 もし,問題となる投稿を発見した場合,速やかに削除する必要があります。投稿した従業員が誰であるか分かっている場合には,当該従業員に対して投稿を削除するよう伝えます。もし従業員がこれに従わない場合,業務命令により削除するよう請求こととなります。SNSへの書き込みは,通常は従業員のプライベートでありますが,企業秩序維持に必要な限度であれば,業務命令としての削除請求は可能であるといえます。

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